この嘘に行き着くまでの不幸な偶然。。
。 ロビーに淡い恋心を抱いていた思春期のブライオニー。
身分の違うロビーへの思いを心に秘めていたセシーリア。
そんなある日、セシーリアはロビーと些細な事でいさかいを起こし、 噴水へ割れた花瓶のかけらを拾うため飛び込むのです。
びしょ濡れになった彼女。濡れた下着姿・・・
それを見たロビーの心の高鳴り。
それを偶然、2階の窓から見てしまう、妹のブライオニー。
さらに運の悪いことに、
彼女への無礼を詫びようとしたロビーは、彼女への愛をエロティックに綴った手紙を間違って渡してしまいます。
しかも、ロビーにかねてより淡い恋心を抱いていたブライオニーにその手紙を託したため、 ブライオニーはその手紙を盗み読みしてしまいます。


一方セシーリアとロビーは、その間違いの手紙のおかげで、 二人が愛し合っている事実を確認し、図書室で情熱的に愛を交わすのです。
そして、なんと偶然にもブライオニーは、この図書室での情事を覗き見し、 姉がロビーに辱められていると思い込んでしまうわけです。

そして、ある事件を目撃したブライオニーは、 愛と嫉妬から生まれた憎しみによって”嘘”をついてしまうのです。

セシーリアとロビーの仲を引き裂き、二人の人生を不幸のどん底へ突き落とし、 ブライオニー自らの人生をも変えてしまった”嘘”


戦場でのロビーのシーンでは、遠く引き裂かれた二人の運命の行方を暗示し、 この悲恋物語をいっそう悲しく導き、胸が締め付けられます。

戦いに疲れ果て、ロビーがたどり着いた海岸。
その海岸線一杯には叫びながら、あるいは聖歌を歌いながら救助の船を待ち続けている沢山の 兵士たちの姿があり、 このシーンでの長まわしのカメラワークと、音楽がこの映画を引き立てています。

そして、この映画が単なる大掛かりなメロドラマでないところは、 最後に向かって浮き彫りにされているブライオニーが選んだ“つぐない”の方法。。

実はここで、今までのメロドラマとは一味違ったこの映画の魅力が一気に見えてきたような気がしました☆

作家となった彼女が人生の終焉を迎えた時に、実名で綴った小説の中で告白した悲しい真実。
この”つぐない”の意味を知った時の、ショックと複雑な気持ち・・・
ラストでは、私としては、ブライオニーの作家としてのエゴも感じてしまったのですが・・