屋根裏部屋に上がるとパピリオはもう寝息を立てていた。
ベッドの上の妹の顔をそっとのぞき込む。さっきまであんなに怒ってたのが嘘のように穏やかな寝顔をしている。
「まったく、みんなに迷惑かけて………ごめんね」
かまってあげられなくて。
一人ぼっちにしちゃって。
「最近はヨコシマ、ヨコシマばっかりだったもんね……焦ってたのかなぁ」
仕方ないとは言わないけど、でもこの間まで一年しか生きていられないと思ってたわけだし。
それに――たぶんあの人やあの子も好きなんだろうなぁ。
そんな物思いに浸っていると、ムニャムニャと寝言が聞こえた。
「ポチ、ご飯の時間でちゅよ」
思わず笑いがもれた。
妹の頬をツンとつつく。
「こら、ポチじゃなくてヨコシマでしょ」
そう。もっとゆっくりでもいいんだよね。
いま私には時間があるんだもの。
よし、明日はこの子と一緒にいよう。
おしまい